大会長挨拶
Welcome Message

この度、2018年6月15日~17日の3日間、神戸国際展示場、会議場、ポートピアホテルで第23回日本緩和医療学会学術大会を開催する運びとなりました。日本緩和医療学会は1996年に創設されて以来発展を続け、現在の会員数は約12,000名となりました。このような学会の大会長を拝命し、大変光栄に存じております。

この度の大会のテーマは「緩和ケアとEOLケアの質を見直す Quality Palliative and End of Life Care」といたしました。
緩和ケアの専門性をひとことで表すと、治癒が望めない人も積極的な医療の対象として捉え、死への過程の質(Quality of Death)を追求することであると思います。医学は病気を治癒することや延命を目的に発展し、その中で死は避けるべきものとして扱われることが多く、その過程に医学の観点から目が向けられることはあまりありませんでした。緩和ケアは、死を人間が一度は体験する、避けることのできないプロセスと捉え、多面的かつ包括的なアセスメントに基づいて患者と家族のQOLの向上を目指すものであり、「エンド・オブ・ライフケア(終末期ケア)」の質の向上と、それを支えるための「Suffering(つらさ)のマネジメント」がその根幹をなすものだと考えています。
この大会の実施にあたり、以下のことを考えました。
(1)学術大会として、臨床と研究の質の向上を第一にすること
(2)疾患と施設の枠を超えること
特に
①がん以外の疾患に対する緩和ケアを重点的に取り上げること
②基本的緩和ケア(Primary Palliative Care)と専門的緩和ケアが地域でどう連携を取っていくのがよいかを考える機会とすること
(3)EOLケア、特にアドバンス・ケア・プランニングの実践と研究に焦点をあてた議論を行うこと
(4)学術大会の国際化を推進すること
①質の高い臨床と教育を実践するために、英語で直接海外の研究者と討論し発表する機会を作ること
②アジア太平洋ホスピス緩和ケアネットワーク(APHN)とも協働し、アジア全体の緩和ケアの質の向上に寄与すること

本大会が会員の皆様や緩和医療を必要としている方にとって、有意義な会になるよう、組織委員会一同鋭意開催準備に取り組む所存です。
多数の方に神戸でお目にかかれますよう、皆様のお越しをお待ちしております。

第23回日本緩和医療学会学術大会
大会長 木澤 義之
神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科
Yoshiyuki KIZAWA MD, PhD, FJSIM
Designated Professor, Department of Palliative Medicine,
Kobe University School of Medicine

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